2013年4月: 宮城県 ホテル松島大観荘
(2013年4月1日 発行)
この春、東日本大震災から2年を迎えました。震災は未だに様々なかたちで被災地に影響を与えています。ここ松島も甚大な被害を受けました。観光産業がいかに平和と安全に裏打ちされている産業なのか、風評被害も含めて東北の多くの観光地に皆さんが心を痛めた2年間でした。今回は、力強く歩みを続けるホテル大観荘さんを訪ねました。

「当たり前のことを、 当たり前にやることの 大切さを知りました。」
異業種からこの世界に飛び込んだ高橋誠さん(初級合格)は、10年続けた営業の仕事や水産業から転職して2年3ヶ月が過ぎました。お客さまの対応と、力仕事には自信があると笑顔で話します。「目に見えるおもてなし教材に出会ったという印象でした」と、受験当時を振り返ります。「テキストを読んで、当たり前にやらなければいけないことを、正確にできることの大切さを感じました。今は、中級や上級など次を目指す気持ちでいっぱいです。」とすでに思いは次のステージへ向かっています。「私にとってのおもてなしは、わざわざお越しいただいたお客さまの大切な時間をご一緒に創らせていただくことです。」異業種ならではの経験からくる確かな言葉でした。

「検定は、前へ進む力、誇りになっています。」
宿泊料飲課で次長の岡田哲郎さんは、そう話しながら検定で備わる高い基礎力について評価をされました。 「合格者たちは、一つ一つの所作が明確になり、きびきびとしています。合格したことが自信につながり、仕事の基礎が着実に身に付いている気がします。」同館は、社内研修の一つとして位置づけており、いずれは中級や上級合格者にはモチベーションにつながる施策も考えているそうです。「基礎ができているというのは、困ったとき、迷ったときに、戻るポイントができているということ。それは館内全体のサービスの方向が狂わないということなんです。」もウェディングなども手がける同館は、スタッフの人数もサービスの幅も広いだけに、共通の基礎力こそ身につけて欲しい大切なスキルのようです。
復興の道は厳しく、長いことでしょう。しかし、おもてなし検定を通じてひとり、ひとりが確実に歩むための力をつけていらっしゃる印象を受けました。いわば前へ進むための杖の役目を果たしていることに喜びを感じました。皆さんの今後のご健闘をお祈りいたします。
2013年4月: 鹿児島県 鹿児島サンロイヤルホテル
(2013年4月1日 発行)
今年の冬から春にかけては、空に関する話題が多いようです。黄砂、PM2.5、花粉等四方八方の空の話題に注目が集まっています。ここ桜島も、ひとたび煙を吐くと、その火山灰で鹿児島市内は大変な騒ぎになります。しかし、自然の息づかいと共に暮らすというのは、こういうことなのかも知れません。今回は、雄大な桜島を独り占めできそうな鹿児島サンロイヤルホテルを訪ねました。

「全社で募集し、やる気のあるスタッフにチャンスを!」
このホテルで18年。現在取締役支配人として全館の指揮をとる池田 司さんは、自社の取組について自信をもって話しました。「サービスのレベルアップを目的に、1年目、2年目の社員を対象に社内研修の一つとして位置づけています。」と、おもてなし検定が施設の中に明らかに根づきだしている様子が伺えます。「過去の合格者たちも、徐々に意識が芽生え、言葉の使い方や、身のこなしに変化が出てきています。まさにプロになっていく、そんな感じがあります。」と、スタッフの変化を実感されているようでした。こちらでは、希望する全社のスタッフに受験のチャンスを与えており、合格すると受験料を会社が負担するという制度もあるそうです。

「曖昧だったものが、確信にかわる瞬間があります。」
4年目のフロント勤務の中原詩乃さん。入社当初はロビーサービスを担当していたのですが、その後、フロントへ異動。これを機会に、自分の力量とフロント業務を少しでも学ぼうと、おもてなし検定を受検しました。「受験後、接客についての自信が生まれました。これまでも、お客さまの求めるニーズを先回りしようと努力していましたが、自分のやってきたことが間違いではなかったのを知れたのは良かったです。」受験前後の自分の変化をそのように表現してくれました。中原さんの場合は、敬語の学習が特に役立ったそうです。曖昧なものがハッキリとする感覚は、同世代の同じ業界で働く人たちにもわかってもらえるはずと、おもてなし検定の効果を評価していただきました。また、周囲の仲間についても「みんなの接客意識が変化してきました。動きが変わりました。」このあたりは、前出の池田さんと同様な感覚のようです。また、「お客さまの考えていることを一番に。ホテルのお客さまでもあり、私のお客さまでもあるんです。」とも、ご自身の考えるおもてなしは、まさにプロフェッショナルといえるものでしょう
おもてなし検定は、ひとつのマジックかも知れません。働く人たちの多くが、この検定を通じて着実に変化しています。構えがしっかりしているというのか、どっしりしてくるというのか、話す雰囲気にも堂々としたものを感じます。それは、決して桜島の雄姿に毎日魅せられているからということだけではなさそうです。